\解 明/

地域の新ブランド、ええやんさくらポーク!

①若き養豚家たちの挑戦!

自然に抱かれた、食の宝庫「三重」で育つブランド豚肉。

三重県の西側には山脈が連なり、山に降った雨は野に流れ、東側の伊勢湾に流れつく。山の養分が入った水はその過程で、多様な農畜産物などの命を育み、海では食物連鎖を作る。また三重県南部は木の国紀伊半島。森と海が隣接したリアス海岸が続く、太平洋に面した熊野灘。そんな三重県は古より御食つ国として朝廷に食材を納めてきた。伊勢神宮には多くの食材が奉納され、また約1600年間、毎日欠かさずに2度、神様の食事を奉納する日別朝夕大御饌祭が行われている。

三重県は自然への畏怖や畏敬の念を抱きながら生きる島国独特の文化を持つ、日本の縮図のような場所。そんな三重県の中部から北部には鈴鹿山脈や養老山麓が連なる。麓では自然豊かな環境でブランド豚「ええやんさくらポーク」を育てる2代目や3代目の養豚家たちがいる。彼らは四P会に属しながら日々研鑽を行い、切磋琢磨しながらブランド豚を育てている。

②子どもたちも食べやすく美味しく!

多くは食卓で消費される豚という肉の役割。

高級なブランド和牛のように、豚肉にも高級品はある。しかし、大部分の豚肉は家庭で食され人々のタンパク源となっている。そのため、豚肉の役割は定時定量の出荷が1番の使命。豚肉は脂身と身を一緒に食べることで、栄養素を効率良く人の身体に摂取できる。脂身を嫌う子どもは多く、いかにクセのない脂身を作るかは養豚家にとって課題であった。ええやんさくらポークの脂身は、サラッとした質感で味にクセがない。またええやんさくらポークには、血液をサラサラにするといわれオリーブオイルなどにも含まれるオレイン酸が一般的な豚肉の約1.5倍含まれている。つまり、ええやんさくらポークはどんな料理にも合い、栄養も摂取しやすく、家庭での調理にも向いている。それは、ええやんさくらポークを育てる四P会の養豚家たちが研究と研鑽の末にたどり着いた、同じ品種、同じ肥育期間、同じエサで豚に極力ストレスを与えずに育てるという肥育方法があるから実現できている。大ヨークシャー種と抜群の相性を持つランドレース種を掛け合わせた母豚に、肉にサシ(霜降り)が入りやすいデュロック種の豚を掛け合わせた、オリジナルの三元豚が、ええやんさくらポークだ。

また複数の養豚家が育てることで、豚肉の使命である定時定量の出荷も実現している。

③SDGs12、つくる責任・つかう責任!

時代も消費者の意識もすでに変わり始めている。

国連が提唱している持続可能な開発目標(SDGs)が暮らしに浸透してきた。SDGsの「世界を変えるための17の目標」のうち、12「つくる責任・つかう責任」がある。ええやんさくらポークはそこに挑む新たな挑戦。

大量消費、大量生産が繰り返される結果、過度の価格間競争が行われる。その結果、安価な輸入品にシェアを取られて豚に限らず生産者は適正な対価が受けられないこともある。何を食べて、どんな環境で育ったのかわからない食材に疑問を持ち始めた消費者。人間の身体は食べ物でできている。安心安全が保証されていない、安ければいいという食材は最終的に自分や大切な人の身体に影響を与えるのではないだろうか。そういった食の安心安全を確保するには、つくる責任とつかう責任が問われる時代に入っている。

④地域内経済をみんなで作ろう!

三重の地域ブランドに成長させ、自立した地域づくりの一助となる。

くだんの疫病が世界中で流行し、アフターコロナという時代を生きることになった私たち。家庭で食を愉しむ機会が増え、食の在り方の見直しが加速度を上げて行われる風潮にある。安心安全で家庭でも美味しく食べられる食材を、持続的に消費するにはどうしたらいいだろうか。SDGsの「世界を変えるための17の目標」のうち、17「パートナーシップで目標を達成しよう」がある。また日本は2004年に人口がピークに達し、この先の人口減少や少子高齢化は歯止めが効かない。そんな時代に地域創生に希望が向けられている。自立した地域を作るには、地域内で経済の循環が必要。自分が暮らす地域を持続的に発展させるには、生産者も事業者も地域に暮らし消費者に受け入れてもらう必要がある。日々の買う食材を変えること、また販売店が取り扱う商品に工夫を凝らすことは、地域貢献になる。さらに地域内で物流をまわすことは、輸送コストや環境への負荷も減らすことができるエコ活動でもある。

⑤今から始めよう!

美味しい!を、未来を担う子どもたちへ継承したい。

養豚家がそれぞれに単独で利益を追求するだけでなく、手を組み日々研鑽を行い、設定した基準をクリアする努力を続ければ、安心安全な豚肉を定時定量、生産することができる。

そこに肉屋が加わることで、地域内流通を作ることができる。消費者がそういう豚肉を選ぶことで地域内消費が生まれ、経済が回る。WIN×WIN×WINの関係が地域にでき、地域ブランドとして地域外からも注目が集まり派生していく。その核にあるのは消費者の「美味しい!」。その「美味しい!」を裏切らない、養豚家たちの研鑽と知識を共有し積み上げていく。そして次代へとしっかりと伝承していく。ええやんさくらポークのブランド化は、時間は掛かるかも知れないが、今から始めれば次世代に繋げることができる。それは地域に暮らす人にとって、子どもや孫の世代には大切な資源であり宝となる。地域に暮らす人が育むブランド、それが「ええやんさくらポーク」。